【軽い重量を恥じるな】筋トレの基礎である単関節運動の正しいフォームをマスターしよう
Don’t be ashamed if you have to select a lighter pair of dumbbells at any point.
軽い重量を恥じるな。
-Roelly Winklaar-高校生の時、月刊アイアンマン(2010/11号)でこの言葉を見て衝撃を受けました。
今ではこの言葉が自分のトレーニングのベースになっています。https://t.co/ghowGV9Z8U— 池田あゆみ@菜野人💪🏽 (@ayuphonse) 2017年12月1日
↓ちなみにRoelly Winklaar氏
つまり、彼が言いたいのは
「重たいものを持ち上げることにはこだわらず、適切な重量を扱え」
ということだと、僕は受けとりました。
この言葉に出会ってから8年、ボディメイクのための筋トレでは重量にこだわらず丁寧に効かせることだけを考えてきました。
ということで、今回紹介するのは正しい単関節運動のフォームです!
-単関節運動-
一つの関節のみが動作する筋トレ種目。
アームカール、トライセップスエクステンションなど。
対照にスクワット(股関節&膝関節)、ベンチプレス(肩関節&肘関節)などの複数の関節が動作する種目を、複合関節運動と言う。
“正しい単関節運動”は具体的に動作中は常に負荷を逃がさないフォームと今回は定義します。
重たい重量を持ち上げるだけの筋トレをしている人をたまに見かけますが、今回は適切な重量を適切なフォームで扱うことで、みっちりしっかりガッチリ目的の筋肉に刺激を与えていくことを目指します。
今回の記事では、
- アームカール
- ライイングエクステンション
- ダンベルフライ
- ラテラルレイズ
を写真付きで解説していきますが、ここで解説することは全ての単関節運動で応用できます。
もちろん、全て読んで頂ければ単関節運動の正しいフォームを学ぶことができますが、苦手種目を克服したい場合はその種目の解説のみを読んでいただいても構いません。
- 大切なのはウエイトの軌道と負荷の方向。
- スタートやフィニッシュポジションでウエイトの軌道と負荷の方向がミスマッチしないように注意。
- ターゲットとなる筋肉がまたいでる関節を中心とした円上で動作する。
目次
アームカールの正しいフォーム
まずは、こちらの画像からご覧ください。
単関節運動の正しいフォームを考察するにあたり、大切なのは以下の2つの要素です。
- バーベル(ダンベル)の軌道
- 負荷の方向
アームカールの場合、バーベルは肘を中心とした円上で弧を描いた軌道になりますが、負荷は重力によりかかりますので方向は真下で一定です。
つまり、バーベルの軌道と負荷の方向により出来る角度は動作中常に変化するわけなのですが、これら2つの矢印が180°逆方向を向いている時が筋肉にもっとも負荷がかかるポジションになります。
上記の画像から筋肉へ負荷が強くかかっている瞬間の画像を切り出し、バーベルの軌道と負荷の方向の関係を見てみましょう。
まさに動作の真ん中ですが、バーベルの軌道と負荷の方向により作られる角度がほぼほぼ180°になっていることがわかります。
このように、バーベルの軌道と負荷の方向がミスマッチしている状態では筋肉への負荷が少なくなってしまうのです。
同様にスタートポジションでも、
ベクトルがミスマッチするので筋肉への負荷は小さくなります。
アームカールの間違ったフォーム
上記のフィニッシュポジションやスタートポジションのベクトルの角度は、まだ90°よりも大きい鈍角でした。
鈍角であれば、筋肉への負荷は小さくなるものの完全に負荷が抜けるわけではありません。
つまり、バーベルの軌道と負荷の方向の角度が常に鈍角であるフォームは動作中は常に負荷を逃がさないフォームなのです。
それって実際にはどういう状態なの?
このように、アームカールのフィニッシュポジションで肘を前に動かしてしまうと筋肉から負荷が抜けてしまいます。
またスタートポジションでは、肘を伸ばし切る(バーベルを下ろし過ぎる)ことで負荷が抜けてしまいます。
- フィニッシュポジションで肘を前に出さない
- スタートポジションではバーベルを下ろし過ぎない
アームカールの正しいフォーム+α
アームカールのバリエーション種目としておすすめなのが、フィニッシュポジションで肘を後ろに引くフォームです。
肘を後ろに引くことで、負荷が抜けやすいフィニッシュポジションでもバーベルの軌道と負荷の方向の角度を180°に近づけることができるため、筋肉に負荷が強くかかった状態を保つことができるんです。
ライイングエクステンションの正しいフォーム
ライイングエクステンションの考え方も基本的にはアームカールと変わらず、バーベルの軌道と負荷の方向により作られる角度を鈍角に保つことが大切になります。
ライイングエクステンションでもアームカール同様、肘を中心とした円上に弧を描くようにバーベルが動作しますが、負荷の方向は重力により一定(真下)に保たれます。
肘を下半身の方向へ引いてきてしまうと、これまたフィニッシュポジションで負荷が抜ける原因となります。
ライイングエクステンションの間違ったフォーム
ライイングエクステンションの肘を顔の正面で保った場合と、肘を(下半身の方向へ)引いた場合のフィニッシュポジションを見てみましょう。
バーベルの軌道と負荷の方向により作られる角度が鈍角なので、筋肉から負荷が抜けていないことが分かります。
アームカールでも解説したように、角度が90°以下になってしまった場合は筋肉からの負荷が抜けてしまいますので、筋トレとしては効率が悪くなってしまいます。
疲れてくるとついつい肘を引いて休みたくなってしまいますが、それをしっかりとこらえて筋肉にガンガン刺激を与えていきましょう!
- 肘を顔の正面で保つ
ダンベルフライの正しいフォーム
続いて紹介するのがダンベルフライです。
僕はもともとダンベルフライが得意ではなかったのですが、今回紹介しているウエイトの軌道と負荷の方向の関係性に気がついてからは上手に効かせられるようになりました!
ダンベルフライはフィニッシュポジションに近づくに連れて、ダンベルの軌道が横向きになっていきます。
ダンベルフライで大胸筋の内側に効かせようとして、最後まで絞ろうとしていませんか?
ダンベルフライは大胸筋がストレッチしている状態で負荷が強く掛かるストレッチ種目ですので、強く筋肉を収縮させるには適した種目ではありません。
*ストレッチ種目とコントラクト種目(POF)については後日紹介します。
画像は正しいフィニッシュポジションです。
ダンベルフライの間違ったフォーム
上記の画像以上にダンベルを上げ過ぎてしまうと、大胸筋から負荷が抜けてしまいます。
負荷が抜けるたびに筋肉は回復してしまうので筋トレの効率は悪くなってしまうので注意が必要です。
- フィニッシュポジションでダンベルを絞りすぎない
ラテラルレイズの正しいフォーム
最後に紹介するのはラテラルレイズです。
昔から肩を褒めていただくことが多いのですが、ラテラルレイズでしっかりと肩に効かせられるようになったのはここ1-2年の話です。
ラテラルレイズでもアームカール同様、スタートポジションでダンベルを下ろしすぎてしまうと、三角筋から負荷が抜けてしまいます。
またラテラルレイズのもう一つの特徴は、ダンベルを持ち上げれば持ち上げるほどダンベルの軌道と負荷の方向がマッチしてくることです。
ですので、フィニッシュポジションで三角筋を強く収縮させるように意識することがおすすめです。
持ち上げれば2つのベクトルがマッチするから負荷は抜けないでしょ?
ラテラルレイズの間違ったフォーム
上記の画像は間違ったフォームなのですが、胸鎖関節を中心としてダンベルが弧を描いているがわかると思います。
-肩の動きを担う筋肉-
- 僧帽筋
- 三角筋
僧帽筋は肩甲骨を挙上(肩をすくめる)させる筋肉。
ラテラルレイズのターゲットは三角筋なので、この場合は使いたくない。
鎖骨や肩甲骨で作られるソケットに対して上腕骨を動かす役割を持つ筋肉。
ラテラルレイズではこの三角筋に効かせたい。
つまり、上記の胸鎖関節を中心としたラテラルレイズでは肩甲骨の挙上が加わることで僧帽筋がダンベルの挙上に動員し、三角筋に掛かる負荷が抜けてしまっているのです。
ラテラルレイズの正しいフォームでは、この肩甲骨の挙上を限りなく抑え、肩関節を中心とした扇状の軌道でダンベルを動かす必要があるんです。
- スタートポジションでダンベルを下ろし過ぎない
- 肩甲骨は動かさない(常に下制)ように意識する
いかがでしたでしょうか?
今回は代表的な単関節運動である4つの種目のみ紹介しましたが、ウエイトの軌道と負荷の方向の関係性を意識すればどんな単関節運動でも正しく効率的におこなうことができるようになります!
次回はウエイトの軌道と負荷の方向の関係性の応用編として、POF(Position of Flexion)について解説します!
最後までお付き合い頂きありがとうございました!
今回の記事があなたの筋トレのレベルアップに繋がれば幸いです。