【瞬発力アップ】クレアチンサプリメントまとめ
クレアチンサプリメントは今はトレーニーや瞬発系アスリートにとって必須のサプリメントとなっています。
20世紀中期から注目されている比較的古いサプリメントで、その効果は数々の研究により非常に確立されたものとなっています。
メーカーの謳い文句として多いものは
- 筋力向上
- 瞬発力アップ
などですが、実際にそれらがどのようなメカニズムでもたらされる効果なのでしょうか。
クレアチンの体内での働きについて見ていきましょう!
☆クレアチンの効果をまとめると
- 無酸素運動での持久力アップ
- 筋量の増加
クレアチンとエネルギー産生
そこまで詳しくはいいや。って方は飛ばしてくれても構いません。
動画でも解説していますので、参考にして頂ければ幸いです。(2倍速再生推奨)
私たちはエネルギーを産み出すための代謝経路を大きく分けて4つほど持っています。
- TCA回路(電子伝達系を含む)
- 解糖系
- β酸化
- ATP-PCr系
この中で無酸素状態(無酸素運動中)でエネルギーを産生出来るものは
TCA回路(電子伝達系を含む)- 解糖系
β酸化- ATP-PCr系
解糖系の一部とATP-PCr系になります。
-無酸素状態-
筋肉が強く収縮する(負荷が大きい)時は、その筋肉に血液が流れ込む余地がなくなり、酸素が供給できない。つまり無酸素状態になります。
この様に強度の高い運動を無酸素運動と呼び、筋トレや短距離走などが当てはまります。
無酸素状態のことを専門用語では「嫌気的状態」なんて言ったりするので、学生さんはしっかり覚えておくように!テストに出るよ!
解糖系ではグルコースを元にATPを作り出しますが、無酸素状態だと最終代謝物のピルビン酸を作り出すことができず、途中で乳酸となってしまいます。
乳酸は皆さんご存知の通り疲労物質として知られていて、筋肉に貯まることで疲労感や筋肉痛の原因となったりします。
グルコースを代謝する解糖系とは別に、もっと代謝が簡単で素早くエネルギーを産み出しつつも乳酸を発生させない(疲労がたまらない)エネルギー産生経路があります。
それがATP-PCr系です。
ATP-PCrのPCrとはPhosphatic creatine(クレアチンリン酸)のことを指します。
エネルギーであるATPはADPとPiに分解される(Piが一つ取り除かれる)ことによって筋肉を運動させますので、ATPをエネルギーとして使った後にはADPとPiが残ります。
解糖系ではこのようにして失ったATPを補うためにグルコースを代謝しATPを作り出します。
しかし、ATP-PCr系ではどうでしょうか。
Phosphatic creatine(クレアチンリン酸)はPiを一つ持っています。
ATPを分解(使用)することによって産み出されたADPにこのPiを合成することでATPを再合成する。
これがATP-PCr系なのです。
☆日本語でおk。という方へ
“一般的”なエネルギーを産み出す方法に比べて、クレアチンを用いたエネルギー産生は素早く、そして疲労が残らないので、瞬発的な運動に最適ってことだぜ!( ー`дー´)キリッ
クレアチンの貯蔵
しかし、この瞬発的なエネルギー産生経路にも弱点があります。
持久的な運動(有酸素)ほど瞬発的な運動(無酸素)は持続性がないことからも分かる通り、クレアチン(クレアチンリン酸の元)の貯蔵量が少ないためにATP-PCr系でのエネルギー産生は長続きしません。
そこでクレアチンサプリメントの出番です。
通常の食事からの摂取が難しいクレアチンをサプリメントとして多量に摂取することで、体内のクレアチンレベル(クレアチンの貯蔵量)を高めることができます。
それによりATP-PCr系でのエネルギー産生をより長続きさせることができ、メーカーの謳い文句のような筋力向上、瞬発力アップが実現されるのです。
クレアチンと保水力
クレアチンサプリメントを摂取したことで体重が一気に2kg程度増えた、という話を聞いたことはありませんか?
そんな馬鹿なことがあるか、と思うかもしれませんがこれは実際にありえる話です。
しかもその増えた2kgというのは体脂肪ではなく筋肉が増えているので更に驚きです。
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浸透圧というものをご存知でしょうか。
細胞は水が透過する半透明な膜で覆われています。
この場合、水は全ての細胞で溶質の濃度が一定になるように行き来できます。
例えば、細胞Aと細胞Bの中に塩分が溶けているとしましょう。
しかし、細胞Aの塩分量は細胞Bの塩分量の2倍です。
細胞Aは塩分がいっぱいですね〜。
この場合、細胞Aのほうが塩分濃度が濃いので水分は細胞Bから細胞Aに移動することで2つの細胞での塩分濃度を一定にしようとします。
そうするとどうでしょうか。
細胞Aに水が沢山溜まり膨れ上がってしまいました。
筋肉細胞に溶けている溶質はグリコーゲン、クレアチンと言ったものがありますが、これらの貯蔵量が増えるということは、同時にその濃度を通常通りに保つために筋肉細胞内の水分量も増えるのです。
この原理により、クレアチンサプリメントによりクレアチンの貯蔵量が増えると筋肉が水で膨れ上がり筋肉量が一気に増えるのです。
クレアチンサプリメントによく注意書きとして水分を多めに摂取するように書いてあると思いますが、これもこのクレアチンの保水力による水分不足を防ぐためのものです。
クレアチンサプリメントと水分を一緒に摂取して、筋肉を大きく膨らましましょう。
クレアチン摂取方法
クレアチンは赤身の肉から摂取することが出来ますが、難しいのでサプリメントでの摂取をおすすめします。
また、ビーガンやベジタリアンの方は普段の食事からのクレアチンの摂取量が極端に低くなっているのでクレアチンサプリメントの摂取を強くおすすめします。
クレアチンサプリメントの殆どがビーガンフレンドリーの製品なので安心して摂取してください。
100gドーシング法
最もポピュラーなクレアチンサプリメントの摂取方法はクレアチンの第一人者Eric Hultman氏が推奨している100g ドーシング(100g服用)法です。
100gを5日間で一期に飲みきりクレアチンレベルを最大まで高め、その後メンテナンス(維持)期間として1日5gを1-3ヶ月間飲み続けます。
始めの5日間(クレアチンのローディング期間)は1日でクレアチン5gを4回摂取します。
タイミングは適度な間隔を空けて
- 朝
- 昼
- トレーニング後
- 寝る前
などで構いません。
インスリンにより吸収されますので食後が好ましいです。
トレーニング後はプロテインと一緒にシェイクしてしまっても構いません。
その後のメンテナンス期間では1回5gを好きなタイミングで摂取してください。
長期ローディング法
人によってはローディング期間で浸透圧性の下痢を起こしてしまう場合があります。
その場合はローディング期間をおこなわず、メンテナンス期間から開始してください。
クレアチンレベルが最大になるには約20日間ほどかかりますが、下痢を避けることが出来ます。
3ヶ月ほどクレアチンを継続的に摂取したら一ヶ月ほどのオフ期間(クレアチンサプリメントを摂取しない)を取り入れましょう。(100gドーシング法、長期ローディング法どちらの場合でも)
クレアチンの代謝による内臓の疲労を回復させるためです。
クレアチンはトレーニングの有無にとらわれず、上記のように摂取期間では毎日摂取するようにしましょう。
また、クレアチンの保水力の関係からクレアチンサプリメントの摂取中は水分を多めに摂取するようにしてください。
クレアチンは効果をすぐに体幹しやすい即効性のあるサプリメントですので、是非一度試してみてください。
特にビーガンやベジタリアンのように菜食を実践している方には必須のサプリメントです。
値段も手頃ですので是非お試しください。
最後にいくつかおすすめのクレアチンサプリメントを紹介します。