お肉食べ放題!ケトジェニックダイエット【仕組み解説編】

2017年10月20日

前回、糖質制限ダイエットの一種である「低糖質ダイエット」について紹介しました。

低糖質ダイエットは糖質を少し制限することで今すぐ始めることが出来るダイエットですが、今回紹介する「ケトジェニックダイエット」糖質を完全に制限するダイエット方法です。

このダイエットは身体の主なエネルギーである糖質を完全に制限することにより、脂質からエネルギーを作り出せるような体質へ変化させるダイエット方法です。

Ayumi
インテルFCの長友佑都選手が取り組んでいることでも有名ですね!

少しでも糖質の摂取量がオーバーしてしまうと失敗してしまうダイエット方法なので、しっかりと準備をする必要があり、最も難しいダイエットと言えるのではないでしょうか。

今回はそんなケトジェニックダイエットについて、詳しく解説していきたいと思います。

☆ざっくり言うと

  • 脂肪酸を主にエネルギー源とする体質「ケトーシス」を作り出す。

☆ケトーシスになると

  • 体脂肪が燃焼されやすくなる。
  • 血糖値が上昇しないので、体脂肪、筋肉の合成が少なくなる。
  • 瞬発的な運動に対してはエネルギーを上手に供給できなくなる。

ケトジェニックダイエットで痩せる仕組み

私たちの身体は主に糖質をエネルギー源として生命活動を維持しています。

糖質の他には脂質、タンパク質もエネルギーとして利用されますが、タンパク質をエネルギーとして活用する際はグルコース(糖質の最小単位)脂肪酸(脂質の最小単位)に変換されてから利用されるので、厳密には2つの栄養素

  • グルコース(糖質)
  • 脂肪酸(脂質)

これらが私たちのエネルギーになります。

ケトジェニックダイエットでは糖質の摂取を制限しますので、

  • グルコース(糖質)
  • 脂肪酸(脂質)

脂肪酸のみがエネルギー源となります。

しかし皆さん御存知の通り、脳みそのエネルギーとなれるのはブドウ糖(グルコース)のみで、脂肪酸は分子が大きすぎるために脳関門を通ることができません。

Ayumi
糖分は脳みその栄養素ってよく言いますもんね!

そこで活躍するのが今回のケトジェニックダイエットの主役である「ケトン体」です。




エネルギー産生経路

ケトン体の話をする前にエネルギー産生経路について解説させてください。

https://www.youtube.com/watch?v=ybT3fBvDSdY
動画でも解説していますので参考にして頂ければ幸いです。(2倍速再生推奨)

Ayumi
文字でも開設してますが、動画(keynoteのアニメーション付き)のが理解が簡単かと思います(´・ω・`)

上記で

  • グルコース(糖質)
  • 脂肪酸(脂質)

の2つがエネルギー源であることを話しましたが、これらの栄養素は本当のエネルギーである「ATP」を作り出すための材料に過ぎません。

エネルギー産生経路とは上記の2つの栄養素を用いて「ATP」を産生するための代謝のことを指します。

ATPはクレアチンについて勉強したことがある方ならば聞いたことがあるかもしれません。
アデノシン3リン酸(Adenosine triphosphate)の頭文字を取ってATP、リン酸を3つ持っています。
これがリン酸を2つしか持たないADP(アデノシン2リン酸-Adenosine diphosphate)とPi(リン酸-Phosphoric acid)に分解されることで筋肉の収縮、つまり運動が起こります。

💪🏽筋肉補足説明

☆動画の大切なところを抜粋しました!
赤い丸(アデノシン)に青い丸(リン酸)が3つくっついているものが、アデノシン3リン酸つまりATPです。
エネルギー産生

②このATPがADP(アデノシン2リン酸)とリン酸に分解される時に筋肉の収縮が起こるのです。
エネルギー産生

Ayumi
一般にエネルギー源と呼ばれる栄養素はこのATPを作り出すために必要な材料ってことなんです〜。

では、このATPが実際にどのように作られるかを開設していきます。

  1. ATP-PCr系
  2. 筋肉内にはPCr(クレアチンリン酸)というものが貯蔵されています。
    運動によりATPが分解されてADPになりますが、このADPにPCr(クレアチンリン酸)のリン酸を合成することでATPを再合成するのがATP-PCr系です。

    クレアチンリン酸
    オイラはリン酸(青い丸)を一つ持っているよ!

    素早くATPを作り出せますが、クレアチンリン酸の貯蔵量が少ないために(クレアチニンサプリメントなどにより貯蔵量を増やすことができます)10秒程度しかエネルギーを産生できません
    瞬発系スポーツなどでよく使われる経路です。

  3. 嫌気的解糖系
  4. 酸素が供給されている状態を好気的、酸素が供給できていない状態を嫌気的といいます。
    解糖系ではグルコースを代謝することでATPを産生しますが、その後の最終的な代謝物が好気的環境、嫌気的環境によって変わってきます。
    嫌気的環境、つまり無酸素運動では解糖系によりグルコースは代謝された後に乳酸となります。
    乳酸は疲労物質として知られている通り、筋疲労の原因となる物質です。
    無酸素運動で運動が長続きしないのはこういったことが原因になります。

  5. 好気的解糖系
  6. グルコースを代謝することでATPを産み出す解糖系経路ですが、好気的環境、つまり有酸素運動ではグルコースは最終的にピルビン酸に代謝されます。
    ピルビン酸はその後アセチルCoAに代謝されて、TCA回路、そして電子伝達系のエネルギー産生経路を回転させます。

    つまり、同じグルコースを使ったエネルギー産生でも最終的には、有酸素運動だとピルビン酸が、無酸素運動だと乳酸が産み出されるんです。
    解糖系

    Ayumi
    ピルビン酸はその後、TCA回路、電子伝達系という回路に入り、更にエネルギーを産み出します!

  7. β酸化
  8. 脂肪酸を代謝させていくことによりアセチルCoAを産み出します。
    TCA回路電子伝達系と大量のエネルギーを生産できる経路を循環させるためにアセチルCoAは必要な物質です。

  9. TCA回路&電子伝達系
  10. 好気的環境(有酸素)でアセチルCoAを元にATPを大量に生産できる経路です。
    複雑な経路なために稼働するのに少々時間がかかりますが、アセチルCoAが尽きない限り長時間に渡ってエネルギーを供給することができます

💪🏽筋肉まとめ

-エネルギー産生回路とケトジェニック-
瞬発的な運動を行う際は、ATP-PCr系や嫌気的解糖系などが活発になりますが、人間が基本的な生活を営む上で主に使われているエネルギー産生経路はTCA回路電子伝達系です。
これらを動かすために必要な物質であるアセチルCoAさえ産み出すことができれば通常通り生活できますので、それの元がグルコース(糖質)であろうと脂肪酸(脂質)であろうと関係ないのです。

ケトン体とは

アセチルCoAさえあれば人間の基本的な生活には問題がないことが理解して頂けたかと思います。

つまり、脂肪酸さえあればアセチルCoAを産み出せますので、炭水化物(グルコース)がなくとも生命活動を維持することは可能なのです。

しかし、ここで2つの問題が生じます。

  • 脂肪酸が脳関門を通れず、脳みそではエネルギーを産み出せないこと。
  • アセチルCoAは貯蔵できないこと。
Ayumi
あわわ〜。いったいどうするんだぁ~(棒)

まぁ皆さんお気づきかと思いますが、この2つの問題を解決してくれるのが「ケトン体」です。

脂肪酸は分子が大きすぎることから脳関門も通れません。
つまり、脳みそのエネルギーにはなれないのです。
このように、糖質が制限されて脳みそにエネルギーが供給できなくなった時に身体は肝臓でケトン体を作ります。

ケトン体は肝臓のβ酸化により作られたアセチルCoAを血中に放出できる形として作り変えたものです。
正しくは

  • 3-ヒドロキシ酪酸
  • アセト酢酸

という名前がついていますが、これらを総称してケトン体と呼びます。

ケトジェニックダイエットのように糖質を極端に制限した場合、身体は糖質をエネルギーとして使うことを諦め、脂肪酸を元にこのケトン体を作り出し血中に放出させます。

このように血中のケトン体濃度が上がった状態(ケトン体を主なエネルギーとして利用している状態)をケトーシス体質、もしくはそのままケトーシスと呼んだりします。

Ayumi
やったー!\(^o^)/

このケトン体が、エネルギーを必要としている組織まで血管で運ばれ、またアセチルCoAへと戻り、エネルギーを産み出すことが出来るんです。
もちろん、脳関門を通り脳みそのエネルギーにもなります。

Ayumi
ケトン体の説明だけで、めちゃくちゃ大変でした。。。
ちょっと難しいっすよね。。

ケトーシスの特徴

ケトーシスでは脂肪酸がエネルギー源となるため、体脂肪がどんどん分解されていきます。

Ayumi
体脂肪を分解すると脂肪酸になるよ!

長友選手の身体を見れば分かる通り、筋肉質でありながらも体脂肪がキレイに削ぎ落とされた美しい身体をしています。
ボディビルの減量期などでも使われることが多いこのケトジェニックダイエットは、体脂肪にフォーカスして減量していくことが可能です。

低糖質ダイエットの記事などで紹介したインスリンを覚えていますでしょうか?

インスリンは血糖値の上昇に反応して分泌されるホルモンで、

  • 血糖値の低下
  • 筋肉の合成
  • 体脂肪の合成

などの働きを持っています。

ケトーシスではそもそも血糖値が上昇しないので、このインスリンは分泌されません。
その為、体脂肪は合成されませんが、同時に筋肉の合成も難しくなります。

糖尿病でインスリン注射をしている方などであれば、血糖値の上昇しないケトジェニックダイエットを行うことにより糖尿病の進行を完全にストップすることができます

先程から何度も、アセチルCoAさえあれば人間の基本的な生活には問題がないことを述べてきましたが、問題がある場合のことを紹介します。

それは、瞬発的な運動を行う場合です。

ケトン体、つまりアセチルCoAがエネルギーとなるこのダイエットでは、TCA回路と電子伝達系でしかエネルギーを産生することができません。

つまり、無酸素運動ではエネルギーを供給できないのです。

Ayumi
無酸素運動の時は嫌気的解糖系(グルコースが材料)でエネルギーを産み出します!

長友選手はサッカー選手ですので、有酸素運動がメインです。
つまり、TCA回路、電子伝達系が主なエネルギー産生経路ですが、野球や陸上短距離、投擲といった瞬発的な動作が必要になってくる競技(無酸素運動)ではパフォーマンスが極端に低下します。

また筋トレも無酸素運動ですので、使用重量が落ちたり、疲れやすくなったりするのがこのダイエットのデメリットになります。

その場合はクレアチンを摂取し、体内のクレアチンレベルを挙げておくことでATP-PCr系により多少はエネルギー供給をサポートすることができます。

💪🏽筋肉まとめ

-ケトーシスになると-

  • 体脂肪が燃焼されやすくなる。
  • 血糖値が上昇しないので、体脂肪、筋肉の合成が少なくなる。
  • 瞬発的な運動に対してはエネルギーを上手に供給できなくなる。


非常に難しい話になってしまいましたが、ケトジェニックダイエットだ有効なライフスタイルの人、そうでない人といるので、しっかりと自分に適しているのか見極めるために今回の記事を参考にして頂ければと思います。

次回、ケトジェニックダイエットの具体的なやり方について解説しますので、よろしくお願いします。